ユニック車(クレーン付きトラック)の操作は、正しい手順を守らなければ転倒・吊り荷落下などの重大事故につながります。
本記事では、ユニック車の基本的な操作手順・アウトリガーの張り出し方・クレーン操作のポイント・よくあるトラブルと対処法を解説します。
ユニック車操作の基本フロー
ユニック車の作業は大きく「準備→吊り上げ→移動・設置→片付け」の流れで進みます。
- 作業場所の確認・地盤の確認
- アウトリガーの張り出し・水平確認
- クレーンのブーム展開
- 玉掛け作業(吊り具の取り付け)
- 試し吊り・荷物の傾き確認
- 本吊り・旋回・移動
- 荷物の設置・玉掛け解除
- ブーム格納・アウトリガー収納
ステップ1:作業前の確認事項
作業を始める前に以下の点を必ず確認します。
- 吊り荷の重量・重心・形状の確認
- 定格荷重表でブーム角度・作業半径に対応した吊り上げ限界を確認
- 地盤の状態(軟弱地盤・傾斜の有無)の確認
- 架空電線・障害物の有無の確認
- アウトリガー展開に必要なスペースの確認
- 作業半径内への第三者の立入禁止措置
ステップ2:アウトリガーの張り出し
アウトリガーはユニック車の転倒を防ぐ支持脚で、クレーン作業前に必ず最大限張り出します。
- 車両を作業位置に停車してサイドブレーキをかける
- アウトリガーレバーを操作して横方向(ビーム)を最大限張り出す
- 縦方向(ジャッキ)を下げて地面に接地させる
- 車体が水平になっていることを確認する(傾斜計があれば使用)
- アウトリガー下に敷板(鉄板・合板)を入れて地盤の沈下を防ぐ
アウトリガーを最大限張り出さずに作業すると、定格荷重が大幅に下がり転倒リスクが高まります。
ステップ3:クレーン操作(ラジコン・手元操作)
現代のユニック車の多くはラジコン(無線リモコン)で操作します。
ラジコン操作の基本動作
- ブーム起伏(UP/DOWN):ブームを上げ下げする
- ブーム伸縮(OUT/IN):ブームを伸ばしたり縮めたりする
- 旋回(LEFT/RIGHT):クレーン全体を左右に回転させる
- ウィンチ(UP/DOWN):フックを巻き上げ・巻き下げする
複数の動作を同時に行う「複合操作」は、熟練が必要なため、初心者は1動作ずつ確認しながら操作します。
操作時の注意点
- 急激なレバー操作は避け、ゆっくり丁寧に動かす
- ブームを伸ばすほど・角度を下げるほど定格荷重が小さくなることを理解する
- 旋回時は吊り荷が振れないよう速度を抑える
- フックの巻き過ぎ(過巻き)防止装置が作動したら即停止する
ステップ4:玉掛けと試し吊り
玉掛け技能講習を修了した者が、適切な吊り具を選定して荷物に取り付けます。
玉掛け後は地切り(地面から数cm浮かせる)してすぐに停止し、以下を確認します。
- 荷物が水平に吊れているか
- 吊り具がずれていないか
- 異音・異常な振動がないか
問題がなければ本吊りを開始します。
ステップ5:作業後の片付け
- ブームを完全に縮めて格納位置に戻す
- ブームロックピンまたはロックレバーを確実にかける
- アウトリガーのジャッキを上げ、ビームを収納する
- PTO(動力取り出し装置)をOFFにする
- 走行前に格納状態・ロックを目視で確認する
ブームを格納せずに走行すると、架空電線への接触や橋梁・高架への衝突など重大事故につながります。
よくあるトラブルと対処法
アウトリガーが出ない
油圧オイルの量・PTOの入り忘れ・安全ロックの解除忘れを確認します。
ラジコンが反応しない
送受信機の電池残量・電源スイッチ・受信機アンテナの状態を確認します。
ブームが上がらない・伸びない
過巻き防止装置の作動・安全装置のロック・油圧オイルの不足を確認します。
まとめ
ユニック車の操作は「アウトリガーの確実な張り出し→定格荷重の確認→丁寧なクレーン操作→作業後の格納確認」が安全作業の基本です。
操作には小型移動式クレーン運転技能講習・玉掛け技能講習の修了が必要です。資格の取得方法はユニック車の免許・資格の解説をご覧ください。
ユニック車の種類についてはユニック車の種類まとめもあわせてご確認ください。

