建設業で使われる重機の中で、クラムシェル、クラムシエルバケットと呼ばれる重機があります。
クラムシェルは、主に地下の掘削や水中作業に適していて、その多機能性から多くの現場で重宝されている重機です。
ただ、クラムシェルと言われても具体的なイメージがわかない人も多いでしょうし、また、その使用用途や運転に必要な資格、また、実際にレンタルする場合はどこですればよいのか等、分からないことが多いと思います。
この記事では、ショベル系掘削機であるクラムシェルについて解説します。
掘削機とは

クラムシェルは掘削機の種類の一つに該当します。
そもそも掘削(くっさく)とは、「掘る」「削る」のことですが、土砂や岩石を掘ったり削ったりすることをいいます。
掘削機は、土砂や岩石を掘削するための建設機械のことです。
機能としては、掘削するだけでなく、掘削した土砂や岩石を積み込みや運搬を行ったりする機能もあり、作業する場所や機能によって種類も異なってきます。
掘削機の代表的なものとしては、ブルドーザやショベルカーが該当します。
一般的にショベルカーで知られる油圧式のショベルカーは、土砂を掘って積み上げていき、またブルドーザは地表のものを押し出していきます。
また、シールドマシンという掘削機もありシールドマシンは、地下でトンネルを掘り進んでいく掘削機です。
クラムシェルの意味
クラムシェルは「貝殻」のことです。
クラムシェルという用語は、通常、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器のデザインに使われることが多いのですが、二つの部分が蝶番でつながれて貝殻のように開いたり、閉じたりする形状のことを表現しています。
重機のクラムシェルも同様にこのような形状となっていることから呼ばれています。
クラムシェルの重機
クラムシェルとは、ブームの先端にワイヤで吊られたクラムシエルバケットで、土砂をつかんで掘削していく掘削機を表します。
開口したクラムシェルバケットを落下させ、バケットを閉じることによって土砂を掴みます。
油圧ショベルのアタッチメントの一つで、二枚貝のようなバケットが特徴です。
イメージとしては、UFOキャッチャーです。
つかんで掘る形の掘削機なので、一点を深く正確に掘る作業に適しています。
そのため、深く掘る必要のある基礎工事や、下水工事で使われることが多いです。
さらに、陸上で使用するクラムシェルに相当するグラブ船やバケット船、浚渫船などは、河川や海底の土砂の掘削の作業で使用されています。
また、工事で発生した大量の土砂をつかんでトラックに積み込むという作業でも活躍します。
そしてクラムシェルには、ケーブル式、油圧式、テレスコピック式の3つの種類があります。
クラムシェルのタイプ別解説
クラムシェルの重機といってもいくつかの種類がありますので、ここからはクラムシェルのタイプ別に解説していきます。
ケーブル式のクラムシェル

ケーブル式クラムシェルは、その設計により深深度の揚土が可能で、大型バケットにも対応できます。
このタイプは通常大型のバケットを装備していて、広範囲の土砂を一度に掘り起こすことができるのが特徴です。
特に新しい建設地や、既存の施設の拡張において、効率的な土地の開発作業に役立つのがケーブル式のクラムシェルです。
クラムシェルは、その操作にクローラクレーンを主に使用します。
不整地でも安定して作業を行うことができるため、多くの建設現場で使われています。
一方、平坦で安定した地盤の場所であれば、トラッククレーンを使うこともあります。
トラッククレーンは移動が容易で、異なる作業現場への迅速な配置転換が可能です。
このように、ケーブル式クラムシェルは多様な現場条件に対応し、高い柔軟性と効率性を持っています。
油圧式のクラムシェル

油圧式のクラムシェルの特徴は、スライドアームを活用して伸縮自在に動作する点にあります。
この機能により、異なる深さや状況に応じた作業ができるため、多様な現場での需要に対応できます。
深い掘削が必要な場合には、より長いリーチが求められることから、テレスコピック式のクラムシェルが選ばれることが一般的です。
油圧式クラムシェルの適用範囲は広く、建設現場から採掘現場まで、多岐にわたる業界で利用されています。
テレスコピック式のクラムシェル

テレスコピック式のクラムシェルは、深い地層への掘削作業に特化して設計されていて、特に土木建設や採掘業界で使われています。
テレスコピック式のクラムシェルには主に油圧シリンダ式とロープ併用式の二つのバリエーションが存在します。
油圧シリンダ式は、その堅牢な構造から安定した作業能力を提供し、特に硬い地盤を掘削する際に効果を発揮します。
一方、ロープ併用式クラムシェルは、ロープを使って伸縮機能を高速化し、より高い揚程を実現するために開発されました。
この方式は、スピードと効率を求めるプロジェクトに最適で、テレスコピック式クラムシェルの中でも特に人気があります。
クラムシェルのこのタイプは、深い掘削が必要な大規模な建設プロジェクトにおいて、時間とコストの節約に寄与します。
クラムシェルの操縦に必要な資格
クラムシェルの重機を操縦するためには特別な資格が必要なのでしょうか。
クラムシェルは、油圧ショベルのバケットの一つなので、油圧ショベルの免許を取得すれば運転できます。
掘削機を運転するためには、
- 「大型特殊免許」
- 「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削)特別教育」または「車両系建設機器技能運転講習(整地・運搬・積込・掘削)」
を取得する必要があります。
それぞれについて解説します。
大型特殊免許
大型特殊免許は、大型特殊自動車を運転するために必要な免許で掘削機もこれに該当します。
大型特殊免許を取得することで、大型特殊自動車、原動機付自転車、小型特殊自動車の3種類の運転ができます。
小型車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削)特別教育
大型特殊免許を取得しても、これだけでは作業現場で掘削機を運転して作業はできません。
3t未満の車体を運転するためには、小型車両系建設機器(整地・運搬・積込・掘削)特別教育を修了する必要があります。
車両系建設機械技能運転講習(整地・運搬・積込・掘削)
3t以上の車体の運転をする際に車両系建設機械技能運転講習(整地・運搬・積込・掘削)が必要になります。
特別教育について免許ではありませんので、指定の教習所で学科、技能の講習を受けると取得できます。
クラムシェルのレンタル
最後にクラムシェルのレンタル会社をご紹介します。
クラムシェルのレンタルサービスを検討している方にとって、適切な会社選びは非常に重要です。
市場には多くのオプションがありますが、それぞれの会社が提供するサービス内容、料金体系、利用可能なクラムシェルの種類、顧客サポートの質などが異なります。
ニーズに最も合ったクラムシェルのレンタル会社を選んでくださいね。
レントリーグループ
レントリーグループでは、建設プロジェクトの効率化とコスト削減を目指す事業者に向けて、多様な建設機械用アタッチメントのレンタル、修理、メンテナンスサービスを提供しています。
特に、クラムシェルバケットをはじめとする製品群は、高い品質と信頼性で業界内外から高評価を得ています。
アタッチメントラインナップには、大割機や小割機、鉄骨切断機、油圧ブレーカー、つかみ機、木材破砕機、リサイクルアタッチメント、そしてバケットなどが含まれており、各種プロジェクトのニーズに応じた選択肢があります。
全国に拠点を持つレントリーグループのネットワークを活用して、迅速なレンタルサービスと万全のアフターサポートを実現しています。
修理やメンテナンスも、経験豊富な技術者によって丁寧に行われ、機械が常に最良の状態で稼働できる体制があります。
株式会社イマギイレ
株式会社イマギイレは、多様な建設機械のレンタルを提供していて、特にクラムシェルバケットをはじめとする環境リサイクル機械や情報化施工機器、NETIS関連機器などの先進的な商品群に強みを持っています。
株式会社イマギイレのクラムシェルバケットは、特に深掘りや狭い空間での作業に適しているので、その多機能性から多くの現場で重宝されています。
イマギイレで取り扱っているクラムシェルバケットは、最新の技術を取り入れた高性能モデルで、作業の精度と速度を大幅に向上させることができます。
レンタルサービスにおいても柔軟な対応を心掛け、お客様のニーズに応じた最適な機械選びをサポートしています。
株式会社ワキタ
株式会社ワキタは、建機事業において多種多様な土工機と重機械のレンタルサービスを提供している会社です。
ラインナップには、効率的な土木作業を支えるクラムシェルを始め、掘削や土砂の移動に必要不可欠な機器などが揃っています。
クラムシェルは、狭い空間での作業や深い掘削が求められるプロジェクトに最適で、多くの建設会社から高い評価を得ています。
エスアールエス株式会社
エスアールエス株式会社は、建機レンタル業界での多様なニーズに応えるため、さまざまなアタッチメントを提供している会社です。
中でも、クラムシェルアタッチメントは、通常の標準アームではアクセスが難しい場所にも届くよう設計されており、高所や低所の作業に非常に役立ちます。
このアタッチメントは、杭打ちや基礎工事の前の掘削作業に特に適しており、作業の効率を大幅に向上させることができます。
エスアールエス株式会社が提供するクラムシェルアタッチメントは、その柔軟性と高い性能で、建設現場での必需品となっています。

まとめ
クラムシェルは、特定の建設作業や土木工事で使用される重機の一種で、特に掘削や土砂の採取に適しており、その多機能性から多くの現場で重宝されています。
クラムシェルは購入コストが高いため、通常は必要に応じてレンタルサービスを利用しています。
レンタル会社を選ぶ際は、サービスの質や保守体制、料金体系をしっかりと確認することが重要です。
クラムシェルの適切な利用により、作業の効率化と安全性の向上が期待できるでしょう。
クラムシェルと他の掘削機の違い
クラムシェルは「垂直方向に深く掘る」ことに特化しています。用途に応じた使い分けは以下の通りです。
| 重機の種類 | 掘削方向 | 得意な作業 | 主な現場 |
|---|---|---|---|
| クラムシェル | 垂直(深掘り) | 基礎工事・下水工事・水中掘削 | 建築・土木・港湾 |
| バックホウ(油圧ショベル) | 斜め・水平 | 一般土工・法面整形 | 道路・宅地造成 |
| ドラグライン | 水平(遠距離) | 河川浚渫・大規模土工 | ダム・河川改修 |
| グラブ船・浚渫船 | 垂直(水中) | 河川・海底の土砂採取 | 港湾・河川工事 |
作業計画書へのクラムシェルの記載方法
クラムシェルを使用する作業では、労働安全衛生規則第155条に基づき、作業計画書の作成が義務付けられています(機械の転倒・作業員の接触事故防止のため)。
作業計画書に記載すべき主な項目
- 使用機種名・型式:例)クローラクレーン搭載クラムシェル ○○t吊り
- 機械の旋回半径・吊り荷の最大重量
- アウトリガー(支持足)の設置位置と反力
- 掘削深さ・掘削範囲
- 作業員の立入禁止範囲(旋回半径内への立入禁止区域の設定)
- 誘導員の配置位置
- 埋設物・架線との離隔距離
CADデータを使って機械の平面形状・旋回範囲を施工図に重ねて記載すると、立入禁止区域が視覚的に明確になります。
クラムシェルのCADデータを無料で入手する方法
クラムシェルのCADデータ(DWG・DXF形式)は、以下のメーカー・レンタル会社の公式サイトから無料でダウンロードできます。作業計画書や施工図への貼り付けに活用してください。
- 加藤製作所(KATO):トラッククレーン・クローラクレーンのCADデータをダウンロード可能(会員登録必要)
- タダノ(TADANO):移動式クレーンのCADデータあり
- 西尾レントオール:建機イラスト集でCADデータを配布
- CAD-DATA.com:フリーCADデータ共有サービスで重機データを検索可能
DWG・DXFビューアの使い方や、JWWとの変換方法についてはDWG・DXFビューアおすすめ7選をご参照ください。
よくある質問
Q. クラムシェルとグラブバケットは同じですか?
実質的には同じものを指すことが多いですが、厳密には使い分けがあります。クラムシェルはクローラクレーンやトラッククレーンに搭載するワイヤー式のバケットを指すことが多く、グラブバケットは油圧ショベルのアタッチメントとして搭載する油圧式のものを指すことが多いです。現場では混同して使われるケースも多くあります。
Q. クラムシェルのレンタル費用の目安はいくらですか?
レンタル費用はクラムシェルのサイズ・バケット容量・使用期間によって大きく異なります。目安としてはバケット容量0.5m³クラスで1日あたり数万円〜十数万円程度です(オペレーター費用・運搬費用は別途)。正確な費用はレンタル会社に問い合わせてください。
Q. クラムシェルで水中掘削はできますか?
はい。クラムシェルは水中での掘削作業が可能です。河川・港湾の浚渫(しゅんせつ)作業や、水中の基礎工事に活用されます。ただし水中作業には専用の防水仕様が必要な場合があります。陸上のクラムシェルに相当する水上作業用機械としてグラブ船・浚渫船があります。
Q. クラムシェルの作業時に設置すべき安全看板は?
クラムシェル作業エリアの周囲には以下の安全看板の設置が推奨されます。
- 立入禁止 看板(旋回範囲内への立入禁止)
- 落下物注意 看板(吊り荷の下への立入禁止)
- 玉掛けワイヤーロープの点検色表示(玉掛け作業がある場合)
Q. クラムシェルのオペレーターになるにはどうすればいいですか?
クラムシェルを操作するには、①大型特殊免許と②車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削)技能運転講習(機体重量3t以上の場合)が必要です。講習は全国の登録教習機関で受講でき、おおむね学科と実技合わせて数日で取得できます。


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